NEVERのタイトルを巡っての前哨戦がすさまじい。もともと両者とも試合巧者で、駆け引き上手、試合後のコメントも秀逸ですから盛り上がらないわけないんですけどね。
ここにきてNEVERに対するイデオロギー論争が起きています。これを仕掛けたのは棚橋選手です。さすがというか、うまいですね。
NEVERはあくまでも通過点とする発言がなぜ炎上しているのか?
棚橋曰く、鷹木は「テレビ版ではなくて、劇場版のジャイアン」!
さらに「NEVERというベルトへの俺のスタンスは、まだあまりいろんなとこでは言ってないけど、“獲ってあたりまえ”。そういうこと」
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NEVERへの挑戦者棚橋選手ですが、あくまでもNEVERは通過点というスタンスを崩しません。あくまでNEVERは手段であって目的ではない、ということです。棚橋選手の考え的にはNEVERを奪取し、目的である新日本プロレスの頂点での戦い、最強の証であるIWGPヘビーのベルトへの足掛かりにしたいということですね。
それに対して鷹木選手は、
話を戻す
棚橋の言葉を借りるならば
手段はNEVER戦
目的は棚橋弘至との初シングル
業界のエースと呼ばれる男とタイトルをかけての試合
まさに願ったり叶ったりの展開だ... https://t.co/fvepKbEDmj
— 鷹木 信悟(SHINGO TAKAGI) (@Takagi__Shingo) January 19, 2021
手段としてNEVER戦、目的は棚橋選手との初シングル(そして勝利)です。日本のプロレスラーで一番有名でプロレス業界のエース棚橋選手から勝利を奪えば、「棚橋をシングルマッチで倒した男」となります。最近はトップ戦線での活躍が少なくなってきた棚橋選手ですが、まだまだ影響力があるのはエースたる所以でしょう。
棚橋弘至「(鷹木に)むちゃくちゃ説得力あるよ。けどね、NEVERは俺にとって目的ではない。手段だから。獲ったらまた変わるかもしれないけど、鷹木に言いたい。そのNEVERの先のベルトは見てないの?」
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ちなみに、このNEVERの先は見ていないのか?という発言に対しては鷹木選手はまだ応えていないままです。頭脳明晰な鷹木選手ですから、まずはタイトルマッチに全力を注いだ後に何らかのアクションがありそうですね。
ただ、この棚橋選手のNEVER軽視発言はプチ炎上中です。ただ、以前もこのような発言をした選手がいました。
そう7年前の内藤選手です。このG1クライマックス23を優勝した際のコメントでファンが内藤に対するアンチを爆発させました。
内藤「『G1』チャンピオンかもしれないけど、俺には借りがいっぱいあるんで。IWGP?オカダ・・・いや、その前に! まーずーは! NEVER(無差別級王座)、俺は、田中(将斗)から行きたいと思います」新日本プロレスHPより
「まーずーは!」のNEVER軽視発言でファンからの反感を買ってしまい、無事にNEVERは奪取しますが、イッテンヨンのメインを棚橋選手vs仲邑選手にファン投票で奪われました。この時のことを内藤選手は「俺がしょぼかったからだ」と後に語っています。
NEVERのタイトルは内藤選手が提唱してできた”若手のためのタイトル”だったのですが、その提唱者がNEVERを手段としているかのような発言がファンの怒りを買ったのでしょう。
イッテンヨンでもオカダ選手に敗れた内藤選手はその後、本隊に所属しているにも関わらずブーイングを浴び、タイトル戦にもほとんどからまず1年半ぐらい低迷していました。
そして「まーずーは」発言ののおよそ2年後にロスインゴベルナブレスハポンを立ち上げ、新日本プロレスの主役になりました。
NEVER軽視発言は棚橋選手が自らを追い込むためのもの?
頭のいい棚橋選手なら、タイトルを軽視する発言をすれば炎上することなんてわかっていると思います。ただ、これは得意のイデオロギー闘争に持ち込み、自らをヒール側に寄せることでチャンピオンとの対立構造を激化し、自らを窮地に追い込む作戦ではないでしょうか?
このところトップ戦線から退いている棚橋選手のシングルタイトル挑戦はだいぶ久しぶりですが、もし、NEVER戦に負けるようなことがあれば浮上のきっかけがつかめません。外ならぬ棚橋選手はそれが一番わかっていると思います。年齢的にも体の怪我具合にしても、棚橋選手が今の新日本プロレスのトップ戦線に絡んでいくのは至極難しいです。
棚橋弘至が鷹木信悟とのNEVER王座戦を前に快勝も鷹木は「『GO ACE』?俺の耳には『NO ACE』って聞こえるぞ?」(バトル・ニュース) https://t.co/8OSL3ta2Qe
— プロレス スクエア -プロレス最新ニュース速報- (@pwsquare2019) January 25, 2021
鷹木選手は”進退をかけろ”と発言していますが、棚橋選手はNEVER挑戦が決まったときからレスラー人生を賭けている気がしてなりません。
ここで棚橋選手が敗れてヒールターン…というのも「パパは悪者チャンピオン」の流れっぽくていいですけどね。1月30日のタイトルマッチが楽しみです。