新日本プロレスG1クライマックスが遂にアメリカで開催された。
「真夏の最強戦士決定戦」の名にふさわしい激闘が1カ月以上繰り広げられます。
KENTAと言えば「ブサイクへの膝蹴り」「go 2 sleep」など蹴り技が多いのが魅力的なレスラーである。NOAH時代の試合はあまり見ていないが、いつか新日本プロレスとNoahの対抗戦で井上亘とシングルマッチしたのが印象的だった。
結果から言ってしまうと「G1開幕戦でのセミファイナルにしてはつまらない試合」だったと言わざるを得ない。これなら鈴木みのるをG1に出した方がいいという意見もうなずける。が、盛り上がらなかったのは試合のせいだけではないし、飯伏も良くなかったんじゃないかな?とも思う。
なぜKENTAと飯伏の試合が盛り上がりに欠けたのか?
お互いキックを主体にする選手であるので攻防がどうしても一辺倒になりがちな感じでしたが、KENTAは新日本プロレスに参戦するにあたって、「KENTAのプロレスをお見せします」と言っていました。試合後のコメントでは、
KENTA「何年ぶりだろうな、プロレスしたっていう感じがします」
ファレ「ウジ虫みたいな連中を踏みつぶしてやるだけ」
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この何年ぶりだろうな…ですが、WWE時代は含まれていないんでしょう。WWE退団が2019年1月ですからね。この日のKENTAと飯伏の試合は飯伏がブランチャの着地で足を痛めたハプニングもあり、あまり盛り上がらなかったです。
昔、団体の対抗戦やベルトの争奪戦もありましたが、そのときも華麗な技の応酬っていうのは少なかったように思えます。ただ、他団体と戦う!ってだけでファンのボルテージは上がっていましたから、蹴りやビンタが相手に入るだけで十分でした。
今回のケースとしてはKENTAが新日本プロレスに鳴り物入りで突如G1に参戦しました。以前、柴田勝頼も新日本プロレスのリングに上がったときは「喧嘩、売りに来ました」の一言で一瞬にして自分の立ち位置を決めました。
自分は外敵であるということを宣言し、「新日本プロレス」vs「柴田勝頼」の構図をつくりました。そりゃ新日本プロレスに所属している選手も感情移入しますよね。
- 「今更帰ってきて何言ってんだ!」
- 「上等だ!やってやるよ!」
- 「喧嘩、買うのは得意なんだよ」
こうなると柴田がらみの試合で、桜庭和志がロープに走らない、チョップやキック、投げ技を受けない、総合格闘技系の技よりになるのでプロレス特有の綺麗な技が決まらない、ことがあっても”前提条件”で感情移入できるので試合が盛り上がりやすいです。
KENTAはG1出場に”何を背負っているのか?”
過去、何人も他団体の選手が新日本プロレスのマットにあがりました。その際には団体を背負っていたりするので、負けられない戦いがあったりするのでファンは感情移入しやすいです。自分が推している団体の選手が乗り込んできているから負けて欲しくないですしね。
その点KENTAは戦いの場を新日本プロレスに決めた理由を「もう一度世界に向けて自分のプロレスを見せたいから」とコメントしていました。WWEでの不遇の時代を払拭したい思いが強いのだと思います。
自分が上にのし上がっていきたい野心は持っているのですが、ファンと共有できる”想い”が足りないのではないでしょうか?
飯伏戦後も倒れている飯伏をリスペクトで引き起こし、拍手を送っていました。更に飯伏とハグして健闘を称えあっていましたが、この行為をみて正直「何しに来たの?」って思った人も少なくないと思います。少なくとも飯伏は新日本プロレス所属ですし、KENTAは外敵です。「外から急に入ってきてデカいツラしてんじゃねぇ!」と飯伏には握手を拒否して欲しかったのですが…。
KENTAが輝くにはリハビリが必要?
受けてないから面白くない、とか意見もあるようですが、それがKENTAのプロレスだからしょうがないっちゃしょうがないです。
次戦は棚橋でメインの試合です。ここで棚橋がうまいこと対立構造を作ってくれると盛り上がりそうですね。ただG1だと1リーグ戦なので因縁や感情を乗せにくいのも事実です。前哨戦でのぶつかりあいに期待しましょう。
前哨戦を繰り返すことでKENTAも試合勘を取り戻してくれるはず。G1の公式戦より前半のタッグでの前哨戦を注目しましょう。