G1クライマックス29の出場権とブリティッシュヘビー級王座を賭けて6月25日にYOSHI-HASHIとザック・セイバーJrが戦いました。
結果はザック・セイバーJrが得意の関節技でYOSHI-HASHIからギブアップ勝ちでした。
「ストロングスタイル・イズ・デッド!」
YOSHI-HASHIの“野望”を打ち砕いたザックが王座と『G1』出場権を死守!!
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— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) June 25, 2019
試合後のコメントで「ストロングスタイルは死んだ!」とザックがコメントしたんですが、いったいストロングスタイルとは何か?ということが分かっていないとちんぷんかんぷんですね。個人的見解ですが「ストロングスタイル」とは?について書いていきたいと思います。
ストロングスタイルはどこで生まれたの?
ストロングスタイルをは新日本プロレスの発祥で、団体創立者のアントニオ猪木さんが提唱したことが始まりです。
それまでのプロレスは力道山のような喧嘩の攻防を魅せるスタイルと、カール・ゴッチ氏のレスリングテクニックの攻防を融合させたものだと言われています。
プロレスの試合の中で感情をむき出しにして闘うシーンは力道山のようなスタイルで、スープレックスや関節の取り合いなどはカール・ゴッチスタイルです。
また、黒いショートタイツと黒いリングシューズ、肘、膝のサポーターなしの組み合わせをもって「ストロングスタイルの象徴」とされており、新日本では多くのプロレスラーがこの組み合わせの姿でデビューします。
ストロングスタイルの試合はこうなりやすい
- 序盤は手首や肘の関節の取り合いになり、じっくりと始まりやすい
- 打撃を織り交ぜながらペースを取り合う。攻める箇所を決めたりする(膝狙いなど)
- スープレックスや派手な飛び技、大技を出しながら相手を追い込んでいき試合を終わらせる
1・初めは関節の取り合いで技術や体のぶつかり合いなど、単純な技の応酬が面白いです。
2・打撃では選手の得意技(キックが得意、チョップが得意など…)がハッキリ分かれます。
3の大技も1と2で試合の土台をしっかりさせておくことで大きく盛り上がります。したがって、ただ凄い大技ができるだけでなく試合の構成力、プロデュース力がトップレスラーには求められます。
ストロングスタイルのプロレスラーっているの?
古くはアントニオ猪木、前田明、藤波辰巳、などでしょうか?昭和後期や平成初期に活躍したレスラーが多いです。その後は橋本信也、永田裕志が継承したように思えます。
しかし、ストロングスタイルは”コレ”といった明確な定義はなく、現代のストロングスタイルはプロレスラー1人1人のスタイルに合わせる感じです。
現代版ストロングスタイルは技術+フィジカル+盛り上げ+キャラ、のようにキャラクターを合わせることでエンターテイメント性を高めているレスラーが多いですね。以前のキャラ付けはマスクマンやファイトスタイルに違いを出していましたが、最近では入場時のパフォーマンスや衣装などもどんどん派手になってきている傾向が強いです。
希少な”昔ながらのストロングスタイル”のレスラーはいるの?
現代でも”昔ながらのストロングスタイル”を貫いているレスラーもいます。
怪我で欠場中の柴田勝頼と、
石井智弘が現役レスラーのトップ戦線で戦っているのではないでしょうか?柴田は休養中ですが、怪我した箇所が頭なので復帰は無理そうなので、現在のストロングスタイルは石井智弘ではないでしょうか?その無骨なファイトスタイルは見るものを魅了し、今やメインイベントを張る試合も多くなってきました。
ストロングスタイルは死んだのか?
ザック・セイバーJrは「ストロングスタイルは死んだ」と発言しました。果たしてストロングスタイルは死んだのでしょうか?
YOSHI-HASHIがストロングスタイルの象徴ではないですが、新日本プロレス生え抜きです。新日本プロレスが商品として価値がある!と判断されている選手です。今回はタイトル戦に負けてしまいましたが、ハートは砕けていないと信じています。負けても立ち上がる姿こそがストロングスタイルかな?とも感じます。
ただ、以前のストロングスタイルが本当のプロレスじゃないか!?というファンの声もあります。
中邑真輔は新日本プロレス低迷期に”ストロングスタイルとの戦い”をテーマにIWGPのタイトル戦を繰り広げていました。鬼気迫る戦いを見ていた棚橋が「中邑は”ストロングスタイル”の呪縛に囚われている」とコメントし、2人のライバル性がより明るみになりました。
このように現役のレスラーも「ストロングスタイルは何か?」との問いには、各々違った見解があるので答えはないのかもしれません。ただ、ストロングスタイルは姿を変え今も新日本プロレスのマット上で生き続けていることは確かです。