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タイチがヘビー級となってひとり立ちした日

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いつからか、タイチの二つ名が「世界一性格の小ズルイ男」から「愛を捨てた聖帝」に変わり、ヘビー級に転向し、今やIWGPヘビー級タッグのチャンピオンにまでになった。

「世界一性格の小ズルイ男」は鈴木みのるの「世界一性格の悪い男」からオマージュした二つ名である通り、鈴木みのるへの憧れがあってつけたのかもしれない。

ジュニア時代から凶器を使い、レフェリーを巧みに操ったり、見えないところで反則を犯したりと小物感がぬぐえなかったが、ヘビー級に転向してからは真っ向勝負が増えてきている。

ヘビー転向後の内藤哲也戦、棚橋弘至戦は新時代を予感させ、僕ら新日本プロレスファンの心を躍らしてくれた。

その年のG1クライマックスにはエントリーされず、G1最終日でYOSHI-HASHIからフォールを奪い9月にはNEVER無差別級のチャンピオンに初戴冠し、世紀の大誤審を証明した形になりました。

翌年のG1ni初出場を決めると、最終日には石井智弘と真っ向勝負でG1ベストバウトに匹敵するほどの熱い戦いを僕らに魅せてくれたタイチ選手ですが、鈴木軍というユニットに収まっている限り”ボス”鈴木みのるが一番だという印象でした。

しかし、今回のG1で新日本プロレスマット上で初めてシングルマッチが組まれました。

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聖帝vsプロレス王~技の違い~

タイチ選手の使う技にほとんどオリジナル技がない。いや、プロレスにおいて個人が使うオリジナル技は少ないのだけど、代名詞的な技がないのである。

例えば、棚橋弘至だったらハイフライフロー、オカダだとレインメーカー、ジェイ・ホワイトではスウィッチブレード、内藤哲也だとデスティーノといったところである。

タイチの決め技といえば”ブラックメフィスト”だが、これはタイチが全日本プロレス時代の師匠である川田利明選手の海外遠征時のリングネームである。聖帝十字鳳もミラノコレクションA.Tのトラースキック、タイチ式外道クラッチ、顔面蹴りは川田選手、聖帝十字陵はストレッチプラムといったところである。

師匠だったり、タッグパートナーが使っていた技を上手にオマージュして使う選手、それがタイチなのだ。

昨年のG1最終戦、石井智弘との試合中に川田利明が乗り移った!と実況したアナウンサーにライガーさんがブチギレしたシーンがあるのですが、試合会場は東京の日本武道館だったし、ジャンピングハイキックやデンジャラスバックドロップは川田選手の技をオマージュしたものだから「乗り移った!」と実況した野上アナの気持ちもわからんでもないんですけどね(笑)。

一方、鈴木みのるの技はいたってシンプル。エルボーと頭突き、スリーパーホールドぐらいしか思い出せません。記憶に新しいのが2020年のニュージャパンカップ1回戦での永田裕志戦。両者エルボーしか出さずに5分過ぎまで戦っていました。ゴツゴツとした骨の当たる音で観客に痛さと強さを与えるプロレスラーは現在は鈴木みのるが一番ではないでしょうか?

試合はプロレス王ペース

鈴木みのるの試合は良くも悪くも鈴木みのるの試合になっちゃうんですよね。ゴツゴツしたエルボーの打ち合いから、ロープワークから始まるバックの取り合い、エグイ関節の極め方なんかです。

試合が噛み合えば盛り上がるんですが、外すときもあります。熊本でやった内藤戦なんかはハズレなかんじでしたけど(笑)。

今回のG1公式戦は場外戦からエルボーの打ち合いに発展しました。タイチも姑息な反則技を使わず”鈴木軍らしい”戦いに真っ向勝負でした。タイチ選手は時々こういう熱い戦いを見せてくれるからファンの支持がストップ高になっているんですよね。

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タイチの試合後のガッツポーズにすべてが込められている。

試合はタイチ選手のブラックメフィストで3カウントを奪いました。映像を見てもらえればわかるのですが、勝った瞬間にタイチ選手は立ち上がってガッツポーズを見せています。

普段クールなタイチ選手が勝った瞬間に気持ちを出すことって少ないんですよね。

IWGPヘビータッグのベルトを初奪取したときも、笑顔こそ見せましたが熱い咆哮ってわけではないです。僕の記憶では、

  • NEVERのベルトを初奪取した大分の後藤戦
  • NEVERのベルトに挑戦した翌年のどんたくのジェフ・コブ戦
  • 2019年のG1クライマックスでの石井智弘戦

この3試合だけは試合が決まった後に雄たけびを上げているタイチ選手が確認できます。(ほかにもあったらごめんなさい)

今回のガッツポーズはそれ以上の気持ちが入っていた、ということでしょうね。ま、ユニットのボスだからそりゃ気持ちも入りますよね。

ただ、今回の勝利でタイチが鈴木軍を抜けて独立するのではないか?という噂があります。

僕としては鈴木軍のままIWGPヘビーに挑戦してもいいのではないか?と期待しています。以前、内藤の持つIWGPインターコンチに挑戦したことがありましたけど、IWGPタッグのチャンピオンですし、NEVERチャンピオンにも2回戴冠して、今回は鈴木みのるにも勝利しています。条件としてはクリアしていると思うのです。

2020年のG1最終戦にも飯伏と試合が組まれていますし、俄然、注目度の高い選手であることは間違いないでしょう。2020年から2021年にかけて、ヘビー級のシングルプレイヤーとしての聖帝様に期待しましょう。

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井上 洋人

エーパシ

エーパシ・カイロプラクティック院長、井上洋人です。福岡県久留米市で姿勢改善専門院を経営しています。身体にいい運動や趣味のプロレス観戦やスターウォーズからの気づきを発信しています。趣味:プロレス観戦、映画鑑賞。妻と5歳の息子と暮らしています

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