G1クライマックスに初参戦のタイチが時期エースになる日も近いかもしれません。少なくとも僕はそう思っています。
G1に参戦してから、という訳ではないのですが、タイチは対戦相手との前哨戦、舌戦が非常に上手い印象です。前哨戦のリング上でも、試合後のコメントでも、SNS上でも対戦相手をしっかり煽っていきます。
相手を煽ることによって注目度をあげ、ファンの期待感を挙げてくれているのです。相手との関係性や敵対感を演出するのが非常に上手く、棚橋弘至に通ずるものがあると思います。
ひょっとしたらエースの称号はタイチが受け継ぐかもしれません。
プロレスは相手と戦う理由を作り関係性を明確にすることで盛り上がる
プロレスは試合をするだけでなく、なぜ戦うのか?なぜ因縁があるのか?といったストーリーを大切にします。というか、このストーリーがあるからこそ試合が盛り上がります。
なぜならレスラー同士の感情が見え、ファンがその感情を後押しするからです。
棚橋弘至は常にこの対立関係を意識してコメントしていました。特にタイトル戦やG1の期間中は相手との立場や境遇、考え方などを否定して前哨戦から盛り上げてきました。
しかし、ヘビー級になってからのタイチは相手との対立関係をつくることがうまい印象です。
2018年にG1に出れなかったあとは、『G1に出れなかった男に負けるのか?』と後藤を煽り、NEVER無差別級選手権を行いチャンピオンになりました。
2019年のイッテンヨンにも試合がなかったタイチですが、内藤のジェリコへの勝ち方を「俺でもできる」と言い、更には現在の新日本プロレスで一番ファンが多いであろう、ロスインゴベルナブレスハポンのファンを『マナーが悪い』と批判しました。そしてインターコンチ戦までこぎつけました。
NEVERチャンピオンのオスプレイに勝利したにも関わらず、MSG大会に呼ばれず、あげくNEVER王座はオスプレイがジェフ・コブに負けタイトル移動。ジェフ・コブにも「デブ」と噛みつき、令和初のタイトル戦で見事勝利し二度目のNEVER無差別級王者にもなりました。
このころから我々ファンはタイチの言動にすっかり注目をするようになり、会場でもタイチコールやチャントが盛んに行われるようになりました。
今回のG1でもタイチは対戦相手にどんどん噛みついていきます。
- モクスリー…そのへんのジムにいる汚ねぇオッサン、コスチュームに金をかけろ
- 内藤哲也…2月のインターコンチ戦での飯塚が襲い”冬の札幌事件”になぞらえ”夏の札幌”を匂わせる。
- 鷹木信悟…高木ブーとやじり、出場自体が気に食わないと批判。
- 後藤洋央紀…友達に会いに行って「元気だった?」ってやってきただけ、何も変わらない。
- ジェフ・コブ…去年のデブ枠(マイケル・エルガン)がいたが、デブ枠ナンバーワン。
- ジェイ・ホワイト…外道がいなければ中身はスカスカ。本当の敵は外道。髪が長いのはインカムをつけている。
- ジュース・ロビンソン…何も言うことがない。一番悪いパターン。
- 矢野通…ワーワー言ってコーナーマットを外すだけだが、面白くなってきてい乗っかる可能性は危険。
- 石井智弘…自分にとっての決勝戦。2回やっているからもう対策は完璧。武道館で自分が一番試合しているから有利。
9人全員との因縁を作り上げています。そして前哨戦でしっかりとその辺を煽っていくので、ファンは見やすいのです。ですからヒール軍団の鈴木軍にいながら新日本プロレスファンが多いのではないでしょうか?
恐らくですが、鈴木軍で一番声援を受け、会場人気が高いのはタイチでしょう。
ロスインゴベルナブレスに加入したころの内藤哲也のように、ヒールでありながら声援を受けている理由としてタイチの発言に「一理あるね」と思わせているからではないでしょうか?
棚橋の後継者はタイチかもしれない。エースと聖帝の共通点!
今はヒールのタイチですが、確実にファンが増えてきています。目立った怪我もなさそうですし、ビジュアルもいい。技も分かりやすいし、危険度が少ない。固め技もできる。ビジュアルもいい。かなり共通点が多いです。
更にプライベートでも共通点が!
2人とも過去に女性問題がありました。
棚橋弘至は2002年に女性問題で交際相手の女性に背中を刺されました。当時、棚橋を解雇しようとした新日本プロレスであったが、アントニオ猪木の「女に刺されたレスラーなんていねぇだろ!面白いじゃねぇか!」の一言で現役続行になりました。
タイチは2014年に不倫問題で、不倫交際相手の女性との不適切なLINEのやり取りや写真がインターネット上で公開されたこと。不倫交際相手との交際解消にあたり相手方女性に対する不適切な発言が大きな騒動になり、ファン、関係者に多大な不安が発生したため。2カ月の出場停止、同期間の年俸30%減になりました。
2人とも昔はチャラ男だったということです。チャラ男と言えば聞こえは悪いですが、言い換えればそれほど魅力がある男とも言えますね。
聖帝がエースになる日も近い?
棚橋弘至もいつまでもG1に出場できるか分かりません。今回のG1では年齢的に上から2番目です。真壁刀義、鈴木みのるが年齢を理由にエントリーされなかったとすれば、棚橋がエントリーされない未来が来るのもそう遠くはないのかもしれません。
残念ですが、必ずその未来はやってきます。
今回、ボスがG1にエントリーされなかったことで”鈴木軍”の内部事情も変わるかもしれません。”世界一小ずるい男”の二つ名を捨て”愛を捨てた聖帝”になったタイチが再び”愛”を取り戻し(ベビーターン)エースの名を冠することを期待します。