長かった『Rord to Dontaku』も最終の福岡国際センター2連戦を残すところまで来た。
そして、「令和」初のタイトルマッチとなる「NEVER無差別級選手権」ジェフ・コブvsタイチの一戦が行われます。
ジェフ・コブ選手がシリーズ後半から参戦したことによりヒートアップしていましたが、相変わらずの口撃はさすがタイチと言ったところですね。「ジェフ・コブタ」となじると俺は「ガチムチだ!」と返すジェフ・コブ選手。こんなやり取りが生まれるのもタイチならではないでしょうか?
対立関係を作りだす上手さは棚橋や鈴木みのる並み!
言うまでもなく、プロレスの試合はストーリーが大切である。それは試合中だけでなく、タイトルマッチの前哨戦や試合後のコメントまでテーマがあるものだ。それを分かりやすくファンに提供することで、ファンが感情移入しやすくなるのである。
試合は闘いなのだから、対戦相手との関係や立ち位置が大切です。対立関係が善vs悪などと明確であればいいのですが、今回のタイトルマッチではジェフ・コブ選手とこれまで関わりもないのだから、敵対する理由もないわけですよ。
ですから、見た目を口撃して対立関係を煽っているんですね。
対戦相手の煽り方に是非あるかもしれませんが、対立関係の作り方、分かりやすさは「ボス」の鈴木みのるや本隊のエース棚橋弘至ばりに上手いのである。鈴木みのるは2018年1月4日の東京ドームでの「NEVER無差別級選手権試合」で、何のテーマもない試合を『敗者髪切りデスマッチ」として目玉カードまで押し上げました。
棚橋弘至は2019年の東京ドームでのケニー戦では「イデオロギー闘争」とプロレスの根本的なことを掘り起こし、ケニーがヒール側に回れないと感じるや否や、すぐさま自身のポジションをヒール側に持っていき対立関係を明確にしていましたね。
これぐらいの対立関係があるとファンは試合前から「どっちが勝つかな~」と話し合えるわけですよ。
タイチはヘビーに転向してG1には出場できませんでしたが、出れなかったことを武器にNEVER無差別級選手権に初挑戦して奪取。その後も内藤哲也の持つインターコンチネンタル王座に挑戦して飯塚選手に襲わせたり(本人は知らないと言っていましたが…)と必ず話題を振りまくレスラーになってきました。
最近のタイチと絡んでいると何かと話題になっていることは確かでしょうね。一時期はNEVER獲ったらライガーとやる!なんて話も出ていましたし…(鈴木みのるが出てきたせいで流れそうですが…)。とにかく、話題を作り、対立関係を明確にしてくれるレスラーということです。
だからタイチ推しなのです。
反則攻撃や介入などを多用するのでどうしてもファンが付きにくい印象ですが、これはタイチ選手の生き様です。10年前、ヒールファイト全開の真壁刀義を見ているようですね。どんだけブーイング浴びようがヒールファイトで相手を叩き潰していきましたからね。あのG1の決勝戦ですら介入させましたしね(笑)。
ですから、この先、タイチが鈴木軍を抜けることがあると、大化けする可能性があると思います。その期待を込めて「レッツゴータイチ」と応戦したいのです。